ここにいる皆さんは、「hellog〜英語史ブログ」をご存じだろうか。慶應義塾大学の堀田隆一先生が、毎日欠かさず英語史について綴っておられるブログだ。
英語に興味がある人なら、一度は目にしたことがあるかもしれない。
中でも特に注目したいのが、「素朴な疑問」のコーナーだ。
英語を学んでいると、ふと「これ、どうしてこうなるんだろう?」と疑問に思うことがある。その「ふとした疑問」に対して、英語史の観点から丁寧に答えてくれるのが、このコーナー。学習者にとっては、なんとも贅沢でありがたい内容である。
そのアイデアを少し拝借して、このブログでも、ふとした「ことばに対する疑問(英語・日本語)」を募集しようと思う(ページメニューから「宿題」を選択して投稿できます)。
英語でも日本語でも、学んでいると、「あれ、なんでこうなってるんだろう?」という瞬間はきっとあるはず。
ただし、僕が主に取り上げるのは、堀田先生のような英語史の視点ではなく、僕自身が関心を寄せている「認知言語学」を中心としたアプローチだ。
そこに、様々な別の視点も交えながら、できる限りいろんな角度からお答えしてみたい。
とはいえ、このブログの目的はあくまで僕自身の学習記録。堀田先生のように、明快で網羅的な答えを出すことは僕にはできない。
正確性を担保した「正解」を示すことが目的ではなく、「こんなふうにも考えられるんじゃないか」という思索のプロセスそのものを大切にしていきたい。
なので、堀田先生のように「素朴な疑問」と名乗るのはおこがましいし、違った名前にしようと思う。
このブログでは、それを「宿題」と呼ぶことにする。
みなさんから寄せられた疑問(僕に対する宿題)を、僕なりに考え、整理する。
その結果が、何かのヒントになったり、あるいはご自身で深く調べるきっかけになれば、とても嬉しい。
次回は、実際に僕の生徒さんから寄せられた鋭い疑問を取り上げてみる。
「“It seems that S V …” は、仮主語構文に見えるけれど、that節を it の代わりに置いてみるとどうも不自然。これはどう考えればいいのか?」
かなり難しく、そして奥の深い問いだ。でも、僕なりに手を動かし、頭をひねって、調べられる範囲でできる限り丁寧に考えてみたい。